浪人のアダージョ/ZUZU
るとなぜか星が見たくなって、
ときどきプラネタリウムに入った。
ずっと後になってから、
誰もいない地方のプラネタリウムで、
ペッティングをしたことがある。
でもそのときは俺は童貞だった。
満天の星もすべて偽者というわけだった。
俺はうろつきまわった。
頭のなかをうろつきまわった。
どこにも出口がないのであった。
だけどほんとうは、入り口の大きさを、
測り間違えているだけだったのだ。
本屋で俺のシャツはズボンに入ったままだったとおもう。
真面目な人々は、みなアイドル好きだった。
俺は人と違うと思い、
人と違うようにアイドルを愛したがった。
俺もそうした。
そしてアイ
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