おもいで??よみがえる記憶/前田ふむふむ
 

偽りの窓に、新たに脚色されて、貼り出されてゆく。
そして、肉体は、削ぎ落とされて
わたしは、白骨のおもいでをむさぼるのだ。

点々と、そして空一面に書き込まれている、
霞みゆく過去が、寒々とした大地のむくろになる。
それは、浮き上がる過ぎゆく灰色の時間の帯。
茫漠とした、うつろい易い空から、
いま、深々とした乾燥した空の臭いが――
溢れ出るひかりの驟雨の固まる声が聴こえる。
群青として眠る空が、
差さない傘を痛々しく踏みつけているが、
わたしの乾涸びた皮膚は、涙で溺れているのだ。

わたしは、墓碑に刻まれた碑文の言葉のうしろで
語りかける、あなたの微笑を含んだ索
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