おもいで??よみがえる記憶/前田ふむふむ
 
だ索引と、
あなたの悲しい叫び声として共鳴する、千切られたページを
なんどもなんども、こころのなかで復唱するが
こみ上げてくるのは、津波のように高鳴る、
かなしみの言葉で染まる、灰色の落葉たちだけだ。
影のような感嘆を眺めながら、樹木に隠れていた沈黙の鳥が、
空しく朽ち果ててゆく言葉の欠片を
無造作に啄ばみ、飛んでゆく。

四月の空は、切り取っても、――何度も、
何度も、切り取っても、
いつも、暗闇の色をしている。

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