カオスの反逆/atsuchan69
 
て消えてしまう。

 身も知らずの人々との合流‥‥彼らと寝食をともにする道中が数十日もつづく。来る日もくる日も、歌と踊り‥‥非日常的な、ある種(常識を欠いた)狂乱状態の日々。

 やがて、けろりとした顔で家に帰ると、お咎めなし。

 (これを行なったのは、けして人ではないからである)

 私は、「おかげまいり」について考えるとき、かのギリシア神話―ディオニソスが女たちを躍り狂わせ、テーベの王ペンテウスを八つ裂きにするくだり―を連想せずにはおれない。(八つ裂きにし、その肉をくらう女たちにまじってペンテウスの母親もいた)

 秩序に対するカオスの反逆は、いったん境界の堰をやぶったが
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