折れずに伸びよ、タケニグサ/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
られた分まで大事にしていこう。そんな事も考えた。
 しかし「タケ」は、十分な実をつける前に、あえなくその成長を止めたのだった。
 夜遅くに強い風が吹いた日の翌朝、雨が降っている中、私がいつものように空き地に行ってみると、乱れ切った雑草とともに、無残にもあの竹にも似た太い茎が、真ん中程からポッキリと折れ曲がっていた。かっての威勢のいい姿は、雨ざらしという事もあって、すっかり打ちひしがれていたのだった。
 私はそれを見た時に、大きく立派な姿とはうらはらに、脆く儚かったその「タケ」と、自分を重ね合わせた。
 頑張って成長しようとして大きくなるけれど、望み通り成長したそのとたんに、強く風が吹いた事
[次のページ]
戻る   Point(2)