折れずに伸びよ、タケニグサ/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
た事くらいで壊れてしまう「タケ」の目を覆うような有様と、働き続けて家を買いささやかな家庭を守ったあげく、パニック障害を患って壊れてしまった自分が、その瞬間私の中で、繋がっていったのだ。
私は「タケ」の残骸を拾い集め、家からスコップを持ち出し穴を掘り、埋めた。泣きながら埋めた。埋め終わると、止まらない涙とともに雨に打たれながら、長い間そこに佇んでいた。
私は、今までの生活すべてが怖くなった。分不相応だったのだと、思えてきたのだ。このまま仕事に復帰できても、「タケ」のようにポッキリと折れてしまうのではないか、と。
気が付くと私は、家にもう帰らないという旨の書き置きを残し、とりあえずの金を持
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