平準化する世界に対抗するために ??池袋ぽえむぱろうる閉店に寄せて/岡部淳太郎
 
世間というものはいつだってそうだ。自分と関係のないものに何が起ころうと知ったことではないのだ。そうだ。そういうものなのだ。
 だが、僕はここで立ち止まる。立ち止まって考える。詩が好きであるという自らの思いに即して考える。
 二十一世紀に入ってから、世界はどんどん平準化しているように感じる。何だかわからないけれどもグローバルな一定の価値観というものがあり、誰もがそこに向かって収束してゆく。いや、収束させられている。グローバルな価値観が無用であると定めたものはどんどん周縁に追いやられ、ますます無用なものとして誰からも顧られることのないものと化してゆく。世界の多様性は反故にされ、ただ一色の「正義」で
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