平準化する世界に対抗するために ??池袋ぽえむぱろうる閉店に寄せて/岡部淳太郎
 
」で塗り固められてしまう。たしかに、人々が同じ価値観を共有していれば楽だろう。みんなが「良い」と言うものに従っていれば何となく安心出来る。自分だけの価値観を探す苦労も手間も省けて、何となく社会に参加しているような気分になれる。だが、それでいいのだろうか? それだけで、本当にいいのだろうか? 考えるのをやめ、ただ何となくグローバルな価値観に従っているだけの状態というのは、本当に生きていると言えるのだろうか?
 唐突だが、エントロピーという概念がある。物理学の用語で、僕はその方面には疎いのでよくわかっていない面もあるかもしれないが、要はこういうことである。熱湯をそのままの状態で放っておくと、やがて普
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