長い告白/Rin K
そんな風だったわ。彼にしてみたら、もっと衝撃が大きかったかもしれない。その会場で私は手帳を申請するメリットを聞いて、彼に黙って申請した。医療の情報をもらえたり、朗読のテープが借りられたり、金銭面でも助かるし、便利なこと多いから。でもね・・・つらかった。みんなと同じになれるなら、そんな得なんていらない。だってこんな紙一枚で『あなたは弱者です』っていうラベルを貼られるのよ。これをもらったことで、生まれつき目の見えにくい人、が、身体障害者になるのよ。この差って大きいと思う。でも、自分のためだから申請した。彼は研究報告会のあとも、今までと変わらず私に接してくれた。さりげなく私が『手帳をとろうと思うんだけど
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