長い告白/Rin K
とだよって答えた。わりとロマンチストでしょう?別に一生頼っていこうとは思ってなかった。ただ、やっぱり突発的に不安に襲われたり不安定になることがあるから、そういうとき抱きしめてくれる存在ではあってほしかった。」
彼女は紅茶を一口飲んで続ける。
「それから何年かした去年の秋、私は同じ症状の人たちを対象にした、お医者さん主催の研究報告会に参加したんだ。彼は自分の勉強のためにも一緒に行くと言ってくれた。ところがね、会場に入った瞬間、私はすごく気分が悪くなってしまったの。だってそこには盲導犬がたくさんいて、白杖の音が響き渡っていて、まるで将来の希望のなさを露呈されたみたいに思ったから。私でさえそん
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