長い告白/Rin K
 
た。」

「目のこと、彼は知ってたの?」
僕はやっとのことで口を開いた。バクバクと心音が、まだ耳障りだった。どういう表情をしたらいいのか、何を言えばいいのか本当に分からない。ただ、必死に弱みをさらけだそうとしている人に、慰めの言葉は失礼な気がする。会話を続かせることが、対等な関係を意味すると、僕は考えていた。

「うん。言った。病名も全部。彼は医学の知識があったから、自分でいろいろと調べて理解しようとしてくれた。初詣の時かな、『俺が治すのが夢じゃなくなるように見ていてください。』って何回も言ってたっけ。『何を祈ったの?やっぱり治ることか?』って聞かれたから、ずっといっしょにいられることだ
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