長い告白/Rin K
ことは、ある意味では当然のことだと思うから、騙されたという気持ちも全くなかった。なのに、なぜか僕は愕然とした。早まる鼓動がうるさいぐらい頭の中に響いて、発する言葉を考える余裕がなくなった。
「うすうすあなたも気が付いていたかもしれない。私の目は普通じゃない。簡単に、網膜に穴があいているって言ったら分かるかな。当然その部分には何も映らないから、物を見ても欠けて見えるんだ。そのせいで視力が低下したり、暗闇では全くといっていいほど目がきかなくなったりもする。ね、私、よく夜に段差があったら躓いたりしてるでしょう?速度は人それぞれなんだけど進行性の病気でね、だんだん穴が大きくなったり増えたりして、最悪
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