長い告白/Rin K
て黙っていた。脳裏を数時間前の彼女が駆け抜けた。目の前にいる彼女の実態と、見た目は何も変わらなかった。
「なんてね、まあ、そういうわけなのさ。『恥かしがりの僕のために、どうしても告白してください!』って頭下げるなら考えてもいいわよ。」
明るさも、口調も、にっと笑うかわいい顔も、表面的には同じに見えた。しかしやっぱり僕は違和感を覚えずにはいられなかった。それらがみんなつくりもののようで、彼女が急に痛々しくて弱い生き物に見えた。それは、きっと彼女が一番望んでいない反応なんだ。けれど僕は、言葉ではなくこの手で彼女の頭に触れた。僕たちの間に、ありえないくらい静寂が訪れた。時々立ち上がるライトブルーの香
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