消費と熟練工(加筆訂正)/佐々宝砂
 
が)に、結論はない。しかし蛇足はありまして、以下、蛇足。

私は、以前からものをつくるひとにあこがれている。芸術家にあこがれているのではない。私がなりたいのは職人だ。民芸品を作る職人ではない。私がいまあこがれているのは、大量消費されてゆく大量生産品を手慣れた手つきで器用に確実に製作してゆく、工場の職人だ。一流の熟練工だ。TVで中国あたりの生産現場(特に食玩をつくってるよーな現場)をみると、工員たちの手つきの素早さうつくしさに、私は真剣にうっとりしてしまう。彼等のような熟練の業はないが現実の私も工員で、あちこちの工場を渡り歩いている(単なる派遣社員とも言う)。仕事はきついし夜勤は多いしそのくせ給
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