消費と熟練工(加筆訂正)/佐々宝砂
あまり出さなかった。まわりに詩の読者がいない状況では、詩集の感想なぞおしゃべりしていも意味がないからであり、また私は、作者に直接ファンレターを出すようなタイプではなかったからである。別にエゴを隠していたわけではない。単にめんどくさかったのだ(笑)。めんどくさい場合には黙っている、というのは、これまたフツーの消費者の特徴である。
今はネットがあるので、ある意味ではかなりめんどくささが軽減される。「なんだこのクソくだんねー詩」と思ったら、そういう物言いが許される掲示板にかきこめばよい。それを読んで怒るヤツもいるだろうが、それはそれだけのことだ。もし揉めたら自己責任で解決すればよい。しかし私は極度
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