消費と熟練工(加筆訂正)/佐々宝砂
 
と思うけど、がんばってください、次に期待しています」なぞと言ってくれるのは、よほどのファンだけである(しかし作者にとって熱心なファンほど恐ろしいモノはない、嘘だと思う人はスティーブン・キングの『ミザリー』を読むべし)。なにも本に限らずゲームや映画でもよい、クソゲーをつかめば製作元に文句のひとつも言いたくなるし、クソ映画を見てしまったら監督にブーたれたくもなる。ゲーム好き映画好きであればなおのこと、なんかひとこと言いたくなるはず。それがフツーの消費者の態度というものであり、フツーの消費者は、当たり前のようにエゴ丸出しなのだ。

しかるに詩の場合はどうか。そもそも詩にフツーの読者=フツーの消費者は
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