夜/葉leaf
 
 祖父が死んだ夜、私は世界の夜たちが一斉に瞬くのを知覚した。私はそのとき、一つのうつろな音階として瞬きの中に捕えられ、祖父の死んだ情念に触れた。その日、夜は間違いなく私を通過したのだ。背面から視界に向かって。その日以来、私の外側は、気泡の内側から、視界を飛び交う夜を追跡し続けている。

 夜が関係でしかなく、夜が時間でしかないというのは錯覚である。夜には実体があり、しかもそれは複雑な構造体をなしている。私は、夜がいくつかの精神的な要素から組成されることを知っている。例えば昨日の夜は、等量の悲哀と諦念、そして微量の怒りによって組成されていた。悲哀と諦念とが細やかに錯綜する領界に、点々と怒りが打ち
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