啓示/葉leaf
 
枝々を映写するからだ。手の現象に半ば接しながら、枝との同一性がさやかに現象する。手は肉を吸い上げ、骨を吸い上げ、はげしい光まで吸い上げた。私は手の重さを知らないし、手の粘性も知らない。だが、手を動かすのに必要な火の色だけは精確に知っている。

「いつも」
あなたは私をいつも音響の点で凌駕する。あなたの手が響くときはいつも、私には船がまとわりついている。時間の転落する音はあなたの水位を高め、私はあなたに葉の苦しみを写像する。…朝が拡大してゆく先ではいつも、私が医者の類を消化している。私は惑星の緑野へと進駐するが、海の粒の侵攻を前にして光りながら潰走する。速度はいつも私をはずれてゆき、毛状の記憶
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