啓示/葉leaf
 
記憶に化合する。

「ぬれている」
ようこそ、とぬれてゆくあなたの矛先。はじめまして、と畳んでゆく私の心音。どちらから、と積み上げるあなたの錯視。とうきょうから、とそそり立つ私の直線。おかけなさい、とたぎってゆくあなたの涙腺。…私はぬれてしまった、もう元には戻れない、束ねられた鳥の心臓が怖い、外部に川を作りたい、内部へと徐々に滲入する惑星の液、そして海の直線。樹の内部に育っている最後の手だけはぬらすまい。

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