マトス (ショートストーリー)/よーかん
値段をあなたに言い、コーヒーを入れた店員がカウンターに置くと、ミディアムサイズのブレンドコーヒーお待たせいたしましたとささやきながら、当たり前のようにスプーンも砂糖もクリームを置かずにあなたに差し出しました。そしてあなたはありがとうございますとおっしゃった。ミディアムサイズのブレンドコーヒーです。その姿を見て、私はあなたにまとすのどちらがお好きかお聞きしたくなったのです。」
そう言うと男はコーヒーを一口飲み、満足気に窓から見える曇り空に視線を移した。
「ちなみに今朝の私はラージサイズのソイラテシュガー抜きです。」
シュガーと言った。
「佐藤さんに砂糖と言うのは気が引けまして。」
店員の名
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