10までを数えて/霜天
いつもほんの少しを数えたくて
それは真っ直ぐに見えない夜のために
道に帰れないその日のために
僕が、ほんの少しを数えたくて
出来るなら、そんな僕のことを
少しでも待っていてほしい、とか
1、と数えて
これから僕が始まっていく
帰りたいとは思わない
はずだった
積まれていく昨日と
今日という今日のために
遠くの街で、空が揺れて
人たちが揺れていたらしい
それはほんの気紛れかもしれないし
積み上がった僕らのせいかもしれない
けれど
知らないこと、そんなふうにして
ブルースクリーン
今朝もその向こうで世界は元気らしいから
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