男のいる職場/佐々宝砂
 
同作業で持つしかないのである。

女だけの現場で、私は甘えることができない。特に甘えたいと思ったこともない。自分の方が力があるなあと思うから荷物を持つ。できることはやる。できないならできないなりになんとかする。当たり前の話だ。

だがその私なりの「当たり前」が、男のいる職場では崩れる。自分の手に負えないほどの仕事じゃないのに、やってくれる男がいるのでやらせてしまう。そして私の仕事は楽な仕事ばかりになってしまう。それが不満というわけじゃない。もっと仕事をさせろというわけでもない。ただ、こんなに男に甘えてばかりいると身体が鈍るなあと思う。男が多い現場仕事はあまりにもらくちんだ。なまぬるーく
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