男のいる職場/佐々宝砂
 
ーくらくちんだ。でもそれでよいのかしら。よいのかしら。

私は、有袋類のフクロオオカミみたいな存在なんだと思う。有袋類の中では強い。でも本物のオオカミより弱い。本物のオオカミがきたらフクロオオカミはあっさり負ける。さらに困ったことには、現実の男とゆーものはオオカミより優しいので、重い荷物を持ってくれちゃったりなんかするのだ。コアラのよーに可愛さをふりまくタイプでないフクロオオカミ佐々宝砂は、「有袋類の中では強い」という自分の個性を失い、らくちんなぬるま湯のなかで軟弱化する。

とゆーわけで世の男どもよ、私に優しくしないように。私はフクロオオカミみたいに絶滅したくはない。
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