男のいる職場/佐々宝砂
る。気がきかないだけなのかもしれんが、なんてやつなんだろーと思ってちっと驚いた。私はまだまだ男性というものに幻想を抱いていたらしい。
それでもなかにはいい男もいて(容貌がよいわけではない)、でかい荷物を持て余してるのをみると積極的に手伝ってくれたりする。そーゆーのは女ばかりの現場ではまずありえない。いや、正しくいえばあるんだけど、女ばかりの現場で「その荷物重いだろ、持ってやるよ」と言うのは他ならぬ私自身なのであった。女性十人いたら、私はたいてい一番か二番に力持ちで、私が持て余してる荷物を一人で持てるよーな女性はめったにいない。よって、私にも持てない荷物は、女性だけの現場では、何人かの共同作
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)