異形の詩歴書 高校編その2/佐々宝砂
優等生」になったものの、私は勉強なんかしなかった。もっとも、お洒落に専念もしなかった。口紅一本買う金があったら文庫本を買う。化粧品なんかもったいなくって買えるか。というのは表向きな話で、化粧をしなかったのは単にめんどくさかったからである。しかしそのわりには、セーラー服の上着の裾を自分でちくちく縫って丈を短くし、黒いプリーツスカートはずるずると長くした。私はタバコを覚えて、隠れて吸うようになっていた。これで髪を伸ばして金髪にして化粧を濃くしたら、郷土博物館に保存しておきたいくらいの古典的ヤンキーである(笑)。しかし私はレディースに入る気はなかったし、高校デビューする気もなく、化粧気はないわ髪はあくま
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