異形の詩歴書 14歳冬/佐々宝砂
、谷川俊太郎の「いろは練習」も理解できた。だが他の文章は、何がなんだかさっぱりわからない。ランボオ、誰それ? ピンチョン、なんだそりゃ? カンジンスキーってなによそれスキーの一種?
現在の私が現在の「現代詩手帖」を開いても、同じことである。正直なところ、何が書いてあるのかさっぱりわからない。しかし、わからないことと楽しめないことは同義語ではないのだ。
私はその「現代詩手帖」で入沢康夫の詩を知った。『「牛の首のある八つの情景」のための八つの下図』と題された、一種の習作のような詩である。そこに描かれた「牛の首」というオブジェは、小松左京の傑作怪談「くだんのはは」や「牛の首」を思い出
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