夜の翼/クリ
 
のロウが滴る
ジーンズに野球帽の彼女が僕を見上げている。


僕のメモリの中で彼女のコンプレックスが
意識を持っているかのように振る舞っている。
僕がいまだに「愛することをヤメラレナイ」と
そう思い込んでいるのは、アニマ=彼女の方なのか
その心は僕を憐れんでいるだろうか。
でも、もはや手遅れ
僕は墜ちていく
僕のモンゴルフィエのにかわが剥がれ跳ぶ
僕にはこの落下を表わすほどの時間もない。


高い城の向こうに遠近を無視して収束する
「楽しかった」昼の時刻のミネストローネ
それもすぐに僕の鍋から吹きこぼれる。
終わりの直前のフーガは変拍子
僕はそれに合わせて踊る
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