春雨/
たけ いたけ
春雨
サクラの破片が
まるでガラスのように
散らかっている
太い幹から広がっているその様は
侵略
を思わせる
風が凪いでも
雨が降っても
抑圧にもならない
それは世界地図ではなく
それは夢ではなく
それは人間ではなく
それは愛情ではなく
下水の側では
破片がコロニーを気づいていた
創造に失敗した粘土のように
創造性と現実性の塊
まるで俺ら腐れてし
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