ひよこ/ヤギ
ていて、
ぐうっと真っ黒い空の向こうに、煙のごとく伸びていた。
それに出店の角灯(ランターン)の光が反射して、きらきら輝いているのだった。
(みんな操り人形みたいだ)
宿太はうそ寒くなったが、
そのためにかえってこの匂い立つような夜市に魅せられていった。
右へ左へと首を伸ばして、ぐずぐず歩いている間に、
一軒の屋台の前へ押し出された。
ひよこ
と書かれた暖簾(のれん)をくぐると、
そこには大きなたらいが置かれていて、
その中に沢山のひよこが歩き回っていた。
闇雲に歩きながら、一心にぴいぴい鳴くひよこ。
宿太は一目見た途端、どうしても欲しくなって
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