やまびとの散文詩(一) /前田ふむふむ
たちに、
夜空を覆う星々を汚す罪人として、
理由なき不当な扱いを受けて、囚われびとになったのだ。
海びとたちに、夜空の星々をみる自由を、
全て奪い取られた日に、わたしたちは、
海びとたちに強引に急き立てられて、
慌ただしく、眼が眩むほど峻険な黄砂の断崖を昇った。
それは、多くのものが途中で、墜落して、
手足から血が飛び散るほど凄惨極まりない登攀であり、
わたしたちは、わずかな者だけが、やっとの思いで昇りきると
広々とした断崖の頂きには、ところどころ、
燃えた廃墟の黒い煙が、立ちこめていて、
その一面の荒野に、不思議にも、
断崖で墜落したはずの数多くの仲間の死屍が、
横た
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