早月/アルビノ
で名前が書いてある。
”さつき”
ぼくは一瞬息を呑み、もう一度財布を見る。
”さつき”
あぁ、これは現実だ。ゆっくりと、だけど真っ直ぐに財布に向かい、ぼくはそっと拾い上げた。上半身を静かに起こすと少女と目があった。
女の子。ぼくに歩み寄る。領域侵犯だ。ぼくのところへ少女が近付く。ここはぼくが毎日通るぼくの道。そのはずが、少女。あぁ。拾い上げた時限爆弾が震えてる。起爆装置が歩み寄る。少女はぼくの目を見て離さない。領域侵犯だ! ”さつき” 早月?子宮をくれなかった神様からのプレゼ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)