早月/アルビノ
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だとしたら。
ぼくは最初からすべてを間違えていたんだ。ぼくは母親の記憶なんて少しもなくて、だけど寂しいと感じたことも、求めたこともなかった。
はずなのに。はずなのに。
早月。
ぼくの間違いは早月の出来損ないを家に連れ帰った時に始まったものじゃなかった。ぼくは幼女に母親を求めていたんだ。ロリコンともマザコンともつかない奇妙な感情のもとで。
早月。
早月はもうこの世にいたんだね。なぜ教えてくれなかった?ぼくは滑稽だったかい?早月に求めたものすべて、母親に求めたものだったなんて。
昼下がりの公園の1シー
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