Tomorrow of the same rabbit(3)/篠有里
 
くなったら再び泣きましょう。
誰かと自分とウサギのために。
きっと、蛇も共に泣くはず。
蜜蜂は歌い疲れてもう死んでいるはず。

上も下もなく曖昧だったものに境界が造られる瞬間、
水に浮くコンクリートの塊、ケーソン、美しい海、偽りの希望、
私とウサギは足を踏み入れる事ができるかもしれない。
しかし決して踏み入れることは無い。

希望の開始を遠くに眺め、自らを閉じられた輪の中に永遠に留め置く。
私、そしてウサギは、
造り出すことをしながら造り上げた作品の恩恵にあずかることはせず、
近いうち死んでしまう運命の、様々な生き物たちと一緒に、
勤勉な歌声を響かせるだけのもの。

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