Tomorrow of the same rabbit(3)/篠有里
付ける事ができずに、
私が決して取る事のできない、ひどく残酷な方法で己の海へと還っていく。
落下および落下、死にかかっている蜜蜂の歌。
記憶にない蛇はもう一度私を見て、
かつての見世物の内部をぼんやりと思い出す。
それで、記憶の特異点、か・ら、のように、
中心から逸れてやはりぼんやりと思い出すかつての光景の中で、
そう、先ほどから私を責めさいなむそれ、
ああ、私、見るべきではない夢の中の、
高い建物にある開かれた私。
決して踏み入れることは無い。
何故かどうにも思い出せない唯一のおぞましい思い出が、
どこかに引っかかって今日も落ちてこない。
どうしようもならなくな
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