Tomorrow of the same rabbit(3)/篠有里
私の既知のウサギたち、
そして私の知らない勤勉な未知のウサギたち、
毎日誰かの何かを造り出すため、
うち捨てられる運命を知りつつ毎日を働き者として過ごすウサギたち。
そして自らに残されるものは何も無く、
造り上げた美しいものを閉じられた輪の外でただ眺める。
黒い油のようにゆらゆらと光を反射する海。
海の上に行きたいウサギ。ウサギ。
超広角の狂ったパースにより、欲しい物は遠くへ、更に遠くへと去りつつあるここ、
厳しい仕事と現実のその狭間から生み出されるものには、いかなる海もありはしない。
何故ならそれを許す事が出来ないから。
私以外のその人、あなた、それに折り合いを付け
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