非合/葉leaf
てしても穴を埋めることはできず、視野を支える壁づたいに神経を走らせるので精一杯だ。穴は世界の幹であり、快楽の波線が枝葉をむしばんでゆく。
闇に見棄てられた僕の粒立った皮膚の下を電流としての小剣が経巡ってゆく。つかを握る僕の手を打つ逆雨がまばゆくて、空の裏地が透けて見えそうだ。無臭の人々に切りつける、流れる血は雨の残骸。無告の杉の葉に切りつける、散る砕片は皮膚の光。僕はひときわえぐれた闇となり、剣の内側をみたしてゆく。剣先からは炎の平面がいくつも投げ出され、剣の表面には細かい重力がきりきりと刺さってゆく。
ふくらんだ岩としての肺胞たちはながれる対角線の上でまばらに蒸れている。肺胞のかたす
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