終わりの日/篠有里
 
あなたはわたしを頼ってこの町にやってきた
わたしの住む遠いあの町へ

いつも追われてやってくる
悲しく破られた長いまどろみのあと
終わっているこの場所に
ふるえるよるべのないあなた

その日のあなたは石で打たれ血を流している
受け入れるのは義務ではなく
わたしがこの地にいる意味そのもの
何もかもゆるすそのために

ふたりは誰も知らない道の
影のあわいを通り抜け
残酷な色をした夕暮れをながめる
手をつなぎ
しずかに乾いた約束の地にある
鍵のかかる硬い部屋にたどり着けば


その部屋には窓が無く
わたし以外の神は無い


あなたがもたらすであろう

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