詩集「詩遊人たち」読後感/三州生桑
紺に光り
髪は漆黒
麗しや
麗しや
育てば如何ほどの絢爛だらうか?
ああ、物陰で
狂女がホルムアルデヒドの瓶を抱へて笑ってゐる
魚
オマヘの児は
あまりに求められすぎてゐる
魚
オマヘの児は
金塊に化けて
ヒトの業を深めるぞ』
◎アマル・シャタカ
「詩遊人たち」の中で、唯一の浪漫派恋愛詩人。
そのリズミカルな言葉は、恋の真情と哀切に満ちてゐる。
『君は誰かの愛しい人
孤独に耐へかねて涙を流すのだとしても
嫉妬にかられて涙を流すのだとしても
きっと君は誰かの愛しい人
愛し愛される関係なら言ふまでもない
たとへ 愛されぬと今 嘆いてゐても
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