七つの短編詩「少年の青い揺り籠」/前田ふむふむ
 

慌てて玩具を元に戻したが
もう皆が沈黙の言葉を話している。
僕は悲しくなって、
玩具全部の 埃を奇麗に取って、
整頓して箱の中にいれたら
キラキラと透明な音をたてて
玩具は少年の瞳のように輝いた。
暫く、眺めていたら 安心したのか、
静かに鼾を掻いて眠りだした。
玩具箱は社交場から寝室に変わったので、
僕はそっと玩具箱を元の場所に
戻しておいた。


(柱時計)
頭のなかでいくつものゼンマイ仕掛けの柱時計が
ガラアンゴオンと時を打ち鳴っているようで
苦しくなって、言葉を吐き出した。
苦しいのに装い着の言葉が飛び出した。
楽になりたくて、誰もいないところで、
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