「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
 
らいかんで。」と、マサさんが言うのが、ほとんど同時だった。



ばあちゃんのところにその差し入れがあったのは、墓場で倒れた翌日だった。

差出人は、全く不明で、昔世話になった者の使いですとしか言わず、ばあちゃんにも会わずに帰ってしまった。ダンボール箱の中身は、袋に会社名も銘柄も印刷されていないインスタントラーメンだった。五十袋ばかりあった。ばあちゃんは、息子が、生前、インスタントラーメンの会社に勤めていたので、その時に世話した誰かだろうと思った。手に取ってみると、死んだ息子の事がいつもより懐しく思いだされたので、そういった差し入れがあるときは、ホームの皆と分け合うのだが、この時は、
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