「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
 
の門をくぐり、亭主と息子の墓にたどり着くころには、妙に息が弾んで、俄かには直らない。墓の前にべったりと座り込んで、呼吸を整えようとしたが、かえって、何だか気が遠くなるようだ。やがて、スゥッと目の前が真っ暗になって、暗やみの向こうの方で、誰かが手を振っているような気がしたが、どこの誰やらわからず、「すんませんが、どなたさんですか。」と声をかけたところで、あたりが明るくなって、目を開けてみると、老人ホームの自分の部屋で、スエさんとマサさんが心配そうにのぞき込んでいた。「閻魔様がお迎えの人を間違えたみたいだよ。」と言うと、

「それは、残念なことでした。」と、スエさん。

「阿呆な事を言ったらい
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