「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
うにはまだ早いし。」
奥さんは、わざわざ招き入れて、「御苦労をおかけしました。精一杯のことをさせていただきます。」と、その場で小切手を書いてくれた。
「良かったじゃないか。」と口々に言うと、
「いい事あるもんか。丁重に手切れ金を渡されたんだよ。七十歳を過ぎてだよ。あたしゃ、その場で破り捨てたかったよ。」
だが、小切手の額を見て、破り捨てられなかった。
「たかだか五百万だよ。」
ばあちゃんは、その夜、こっそりと、スエさんの部屋を訪ねた。老人ホームの生活の残り二年間を買い取ってくれないかという相談だった。
「いくらでもいいよ。あたしも、実はまとまったお金が急に
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