「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
急に入り用になってね。恥を忍んで、交渉にあがったって訳さ。」
ばあちゃんの言葉にスエさんは、一つ一つうなずいて、交渉はまとまった。スエさんは、お仕入れのなかから秘蔵の酒を出してきて、二人で乾杯した。
それから二日後、亭主と息子の墓の前で、一心にお経をあげる旅姿のばあちゃんがいた。ばあちゃんのすがたを見たのは、それが最後だった。
老人ホームでは、ばあちゃんの事を皆、心配した。スエさんだけは、平然としていた。
ばあちゃんがいなくなって、一週間後、マサさんが、ばあちゃんの部屋を掃除していると、こんな手紙が出てきた。
「インスタントラーメン、もうお手元に届
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