「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
。思い出ばかりに浸るこのごろだが、まだ現実と思い出とを区別できるだけの意識の明瞭さは、あった。だから、その声が、自分の内部からの声であるのは確かだった。溜息を一つつくと、ばあちゃんは「よし」とばかりに、袋を破った。
そこは、見たこともない場所だった。一見屑鉄置き場のようだった。地面は、しっとりと湿っていて、所々油が浮いていた。科学薬品の匂いが、充満していた。ふと足元を見て、びっくりして跳びのいた。そこには、目玉が一つ落ちていた。良く見ると、作り物の目玉だった。足音がした。一人の少年が現われた。大きなずた袋を持っていた。少年は、屑鉄の山をしばらく捜し歩いていたが、やがて、ボロボロの上半身だけに
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