「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
いしながら、鍋を差し出して、「食え。」と言った。
「うめえじゃないか。な、うめえよ。いい味だしてるよ。」と、亭主は、何度もつぶやいた。その日から、店のメニューにインスタントラーメンが加わった。一袋三十円で仕入れて、葱とチャーシューをのせて、三十円で出したら、近所の高校生が毎日食べに来た。
「ばあちゃん、最近顔色悪いよ。」と、マサさんが言った。
「散歩にも行かないみたいだし。どっか具合でも悪いの。」
そう言えば、このところ、部屋から外に出ていないし、老人ホームの他のばあちゃん達ともほとんど話をしていない。
「あのインスタントラーメンばかり食べてるからじゃないの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)