「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
 
にされた、息子の顔を撫でさすりながら、大声で泣いている自分の背中が見えた。自分の背中を見ながら、やはり泣きだしてしまった。が、ふと見ると、病室の片隅にまだ若い女の子がやはり肩を震わせていた。そうか、と、ばあちゃんは思った。あの時は、自分の悲しみが先にたって気がつかなかったが、この娘も、同じくらい辛い思いをしていたんだねぇ。そう言えば、三年後くらいに見合で嫁いでいったんだったねぇ。ばあちゃんは、娘の肩をしっかりと抱きしめてやった。

葬式が終わると、亭主と二人だけの空間が、とてつもなく広すぎて、どうにもこうにも、埋めがたいもののように思われた。

ばあちゃんは、深夜の店のカウンターに座ってい
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