「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
 
った。「そういえば、」と、ばあちゃんは思った。「あの人は、やたら、正義感が強かった。」

それにしても、あの朝鮮人の子、どこかで見たなと思って、はっと気がついた。あれは、確かに源さんだ。そうに違いない。

新婚初夜の思い出にも会えた。お祝いに集まってくれた近所の人達が帰って、二人きりになると、亭主はいきなりラーメンを作り始めた。

「食え。」と差し出されたラーメンは、食料不足でたよりなげな麺がほんの僅か入っているだけの物だったが、人生の中で一番おいしいラーメンだろうとおもった。二人でラーメンをすすりながら、これからのことをいろいろと話し合った。何時かきっと、二人で大陸に渡ろう。モンゴル
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