「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
顔を見せてくれた。まだ戦争の傷跡の残る辛い時期だった。二人して、必死で働いた時だった。息子の和幸は、まだ二歳になったばかりで、ばあちゃんの背中でスヤスヤと寝息を立てていた。一瞬ではあるが、確かに和幸の温もりを持った重さを感じることが出来た。
インスタントラーメンの袋を開ける度に、色々な思い出に会えた。ばあちゃんは、食事の時間が待ち遠しくなった。ただ、数に限りがあるので、一度に一袋づつ、一日に二食だけ食べることにした。それ以外の食べ物は、喉を通らなくなった。
まだ二人とも尋常小学校で、口も聞いたことがなかったころの思い出にも会えた。朝鮮人の子供がいじめられているのを助けているところだった
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