「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
えなくなってしまうじゃないか、と、しかし、声には出ない。
「わかったよ。出てってやらぁ。」
「ちよっと、和幸、待ちなさい。和幸.....。ばか、あんたがあんな風に言うから、出てってしまったじゃないか。」
そのまま、あの子は、五年後に交通事故で死んじまうんだ。死に水も取ってやれずに。
そう言って、亭主の胸倉を掴もうとした時、ふと我に返った。相変らず自分一人で、口の開いたインスタントラーメンの袋が畳の上に転がっていた。
夕食にもわくわくしながら、ラーメンを作った。また、亭主や息子に会えるかも知れない。嬉しいことに、この時も一瞬ではあるけれど、亭主がその頑固な顔を
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