九鬼周造著『日本詩の押韻』再読/狸亭
気あるものは、この円内に入れ」と叫んだといふ話が ある。現在の日本詩が押韻を採用するのは、円内へ身ををどらせるや うなものではあるまいか。それは万難を排して進む勇気ある者にのみ 要求される決断であるが、目指す先に黄金の山が約束されてゐないと 誰れが云えるであらう。
(「押韻の日本性と世界性」全集第四巻 449ー451頁)
さて、長々と九鬼周造を再読してしまいましたが、この拙論の初稿は1992年7月全電通文芸連盟発行の『ぱるす』誌24号に掲載した「九鬼周造『日本詩の押韻』を読む」を基にしておりますことをお断りしておきます。『中庭』は1991年5月創刊当初精力的に押韻論を掲載しました。論
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